創業と歴史
元祖長浜屋(がんそながはまや)は、1952年(昭和27年)創業の福岡市中央区長浜に店舗を構えるラーメン店で、長浜ラーメン系ではもっとも古い歴史を持つ老舗です。
創業者の物語
創業者の榊原松雄氏は、太平洋戦争後に名古屋の闇市で知り合った台湾人から、ラーメンの作り方と豚をすべて使うという出汁の取り方を教わりました。これがのちの屋台出店のきっかけとなります。
発展の軌跡
- 1952年冬:博多駅前で屋台を始めるも全く売れず、中洲へ移動するも売り上げはほとんどなし
- その後:博多区大浜の魚市場前に屋台を移すと、市場で働く人の朝食となり繁盛
- 1955年:魚市場が長浜へ移転に伴い、屋台も長浜に移動し、魚市場西門前で営業開始
- 1965年:夕刊フクニチに「受験生が長浜屋でラーメンを食べて合格した」というエピソードが掲載され、メディア取材が増加
- 1974年:屋台から店舗へ転換して営業開始
- 2010年5月:現在地で新店舗オープン
ラーメンの特徴
「替え玉」発祥の店
元祖長浜屋は**「替え玉」発祥の店**として全国的に知られています。これは一杯のラーメンで足りなかった客が麺だけを注文したところ、店主も快く注文を受けたため、周りの客も真似するようになったことが始まりです。新横浜ラーメン博物館の公式サイトでもこのことが紹介されています。
麺の特徴
- 極細麺:日本で最初に開発された極細麺を使用
- 理由:市場の人たちが忙しい合間を縫って店に来るため、なるべく早く提供できるように席に着くと同時に出せるように麺を細くした
- 硬さのバリエーション:「ヤワ」「カタ」「ナマ(バリカタ)」など、客の好みに合わせて調整
スープと具材
- スープ:豚骨ベースだが博多ラーメンの中では淡白な味付けで、豚骨臭は強くない
- チャーシュー:一般のラーメンとは違い、味付けした豚肉を機械で刻んだ細切れ状のもの
- 「替え肉」:チャーシューも追加注文でき、市場関係者の仕事後の酒のつまみとしても人気
現在の店舗情報
- 所在地:福岡県福岡市中央区長浜2丁目5番38号
- アクセス:福岡市営地下鉄空港線「赤坂」駅から徒歩10分
- 運営会社:有限会社元祖長浜屋
- 現代表:山本和子氏(榊原松雄の娘)
元祖ラーメン長浜家:中洲川端の人気店
元祖長浜屋から独立した人気店
元祖ラーメン長浜家(がんそらーめんながはまけ)は、2009年に開業した、元祖長浜屋の元従業員による独立店です。現在は福岡市博多区上川端町、川端通商店街沿いに店舗を構え、「家①(いえいち)」という愛称で地元ファンから親しまれています。
24時間営業の庶民派ラーメン店
元祖ラーメン長浜家の最大の特徴は、年中無休、ほぼ24時間営業(金土日は完全24時間営業)という点です。朝食から深夜の〆まで、いつでも手軽に本格的な長浜ラーメンが楽しめる、地元の人々に寄り添った庶民的なラーメン店として人気を博しています。
メニューと価格
- ラーメン:500円(令和の時代でもこの価格!)
- 替え玉:150円
- ラーメン+半チャーハン:600円
ボリュームたっぷりで、デフォルトで焼豚が4枚も入っているという点も評価されています。
味の特徴
元祖長浜屋の流れを汲みながらも、独自の進化を遂げた味わい:
- スープ:あっさりながらも豚骨の風味がしっかりと感じられる、ほんのり乳化系のサラサラスープ
- 豚骨臭:豚骨臭さはなくライトな味わい
- 塩味:軽く塩味が効いた絶妙なバランス
- 極細麺:本家と同様の極細麺を使用
店舗情報
- 所在地:福岡県福岡市博多区上川端町10-242(川端通商店街内)
- アクセス:福岡市地下鉄空港線「中洲川端駅」5番出口から徒歩約3分
- 営業時間:10:00~05:00(金土日は24時間営業)
- 定休日:年中無休
- 電話:092-292-7828
本家との関係
2009年に元祖長浜屋から独立して開業した元祖ラーメン長浜家は、当初は中央区大手門に出店し、その後港にも同名の店舗が開店するなど、複雑な歴史を持っています。現在の川端店は、本家「元祖長浜屋」の面影を想起させるクラシックなスタイルを踏襲しながら、24時間営業という独自のサービスで本家と人気を二分する存在となっています。
商品展開
マルタイから「元祖長浜屋協力 豚骨ラーメン」や「元祖長浜屋協力・棒ラーメン」が販売されており、極力細く縮れも弱く作られた独自のノンフライ麺で、再現度は良好と評価されています。
文化的意義
九州ラーメン研究会の原達郎氏は、元祖長浜屋を「福岡のシンボルで無形文化財と言っていい」存在と評しており、73年以上の歴史を持つこの店は、博多豚骨ラーメンの礎を築いた老舗として、福岡の食文化において重要な位置を占めています。
そして、その伝統を受け継ぎながらも独自の進化を遂げた「元祖ラーメン長浜家」は、24時間営業という現代のニーズに応えながら、長浜ラーメンの伝統を次世代に繋いでいく重要な役割を果たしています。
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