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スナック六組

福岡市博多区中洲2丁目5−5
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福岡市、「Colive Fukuoka 2025」で1.4億円の経済効果を創出:デジタルノマド誘致で「アジアのゲートウェイ」へ進化

「Colive Fukuoka 2025」実施の背景と目的

世界のデジタルノマド市場は現在約4,000万人規模に達しており、リモートワークの拡大、働き方の多様化、AI技術の進化によるソロプレナー(ひとり起業家)の増加などを背景に、今後もその規模は拡大すると予想されています。各国は高度なデジタルスキルを有する人材の誘致に注力しており、デジタルノマド向けのビザを発行する国は世界で約70カ国に上ります。日本においても、2024年4月に「デジタルノマドビザ」が新設され、国際的なリモートワーカーの受け入れ体制が整備されました。

このような国際的な潮流の中、福岡市は2023年10月、全国の自治体に先駆けてデジタルノマド誘致プログラム「Colive Fukuoka 2023」を開始しました。これは「アジアのゲートウェイ」都市としての福岡の強みを活かし、国際的なリモートワーカーを長期滞在型の「関係人口」として取り込むことで、地域のビジネスおよびスタートアップエコシステムの発展に貢献することを目的としています。

3年目となる「Colive Fukuoka 2025」では、初年度の49名から約10倍となる496名が参加し、平均23日間の長期滞在を通じて推定約1.4億円の地域経済効果を創出しました。プログラムでは「Ikigai(生きがい)」や「Dou(道)」といった日本特有の価値観やライフスタイルを深く体験できる機会が提供され、福岡市主催のスタートアップイニシアティブ「RAMEN TECH」との連携も強化されました。これにより、欧米を中心とした起業家がピッチイベントへ参加する機会を得るなど、共創を通じた福岡市への長期滞在が促進され、経済効果の最大化と共に周辺地域への訪問も増加しました。これは、福岡市ならではの新しい海外インバウンド誘致モデルが確立されつつあることを示しています。

プレゼンテーション

「Colive Fukuoka 2025」プログラム概要

「Colive Fukuoka 2025」は、アジア最大級の長期滞在型プログラムとして、10日間のメインプログラムと1カ月間のコリビングプログラムで構成されました。2025年10月1日(水)から31日(金)の期間中、福岡市内各所のほか、うきは市、新宮市、古賀市、宗像市といった周辺地域へも訪問が行われました。

10日間のメインプログラム

メインプログラムでは、多岐にわたるイベントが開催されました。

  • Colive Fukuoka Summit: 10月2日(木)・3日(金)には住吉神社能楽殿で「Envision Tomorrow Together」をテーマとしたサミットが開催されました。日本人スピーカーによる「Ikigai(生きがい)」セッションやデジタルノマディズムに関する共有を通じて、AI時代のキャリアやライフスタイルについて参加者間で共創の議論が交わされました。日本の伝統的な文化空間で行われたこのサミットは、参加者に深い日本文化への理解を促しました。

    パネルディスカッション

    着物スピーチ

  • Synapse Festival: 10月4日(土)・5日(日)の週末には、姪浜渡船場からフェリーで約10分の能古島キャンプ村で「Synapse Festival」が開催されました。このフェスティバルでは、音楽、アート、サウナ、アンカンファレンスといった多様なカルチャー体験が提供され、人口約600人の能古島に約330名が訪れました。また、「世界6大猫スポット」として知られる「相島」へのデイトリッププログラムも実施され、参加者は福岡の自然や地域文化に触れる貴重な機会を得ました。

  • RAMEN TECH連携プログラム: 10月6日(月)から10日(金)にかけては、福岡市が主催する西日本最大級のスタートアップの祭典「RAMEN TECH」と連携しました。海外デジタルノマドは「RAMEN TECH – Global Summit 2025 -」内でブース出展やピッチ登壇を行い、自らのビジネスアイデアやプロジェクトを国際的な舞台で発表する機会を得ました。この連携は、デジタルノマドが福岡のスタートアップエコシステムに深く関与し、新たなビジネスチャンスを創出する上で重要な役割を果たしました。

    RAMEN TECHプレゼンテーション

    さらに、海辺や温泉をリノベーションしたコワーキング施設でのワークショップ、世界経済フォーラム(ダボス会議)にて「Social Innovation House」を主催した「Catalyst Now」と連携したソーシャル・社会起業家プログラムなども実施されました。これらのプログラムは、単なる観光に留まらず、参加者が福岡で具体的なビジネス活動や社会貢献活動を行う機会を提供しました。10月10日(金)のクロージング・キーノートでは、世界的ベストセラー『Happy Money』の著者である本田健氏が登壇し、10日間のメインプログラムを締めくくりました。

1カ月間のコリビングプログラム

コリビングプログラムは、地域経済への持続的なビジネス・ソーシャルインパクトの創出を目的として設計されました。将来的に福岡市にアジアのビジネス拠点を設置することを検討する起業家デジタルノマド層に対し、福岡市内のコワーキング施設やカフェの回遊、地元の祭りなどの地域イベントへの参加、ローカルな飲食店での食事、自主的なワークショップの開催といった、短期滞在では得られない長期滞在ならではの体験が提供されました。これにより、参加者は福岡の日常に溶け込み、地域との深いつながりを築くことができました。

コワーキングスペース

「Colive Fukuoka 2025」インパクトレポート

(1) 長期滞在型インバウンド集客と多様な国籍の参加

10月のメインプログラムでは、世界57の国と地域から496名が参加し、そのうち55%にあたる273名が海外からの参加者でした。福岡市を訪れるインバウンドの9割以上がアジア出身である一般的な傾向とは異なり、「Colive Fukuoka 2025」の参加者の地域別割合は欧米豪が58.2%と過半数を占めました。これは、福岡市が新たなインバウンド層との接点を創出し、特定の国からの観光客に依存しないカントリーリスクの分散を実現したことを示しています。

データインフォグラフィック

このプログラムによる福岡市への地域経済効果は推定約1.4億円に達し、参加者は福岡市内に平均23日間滞在しました。さらに、新宮市、宗像市、うきは市、古賀市など周辺地域への訪問も促進され、地域全体の活性化に貢献しました。国内からの参加者の平均滞在日数は42日間であり、福岡市が日本各地への「ゲートウェイ」として機能し、新たな周遊ルートの可能性を導き出しました。

(2) AI時代のビジネス新潮流「ソロプレナー」が福岡を拠点にビジネスの可能性を模索

2025年8月、英誌『The Economist』が「How AI could create the first one-person unicorn」と題する記事を公開したように、AI技術の急速な進化を背景に「ソロプレナー(ひとり起業家)」がユニコーン企業を生み出す可能性が現実味を帯び始めています。福岡市は2019年に日本初の「スタートアップビザ」を発給するなど、海外起業家の誘致に積極的に取り組んできた実績があります。

「Colive Fukuoka 2025」は、この背景のもと、グローバルなスタートアップの祭典「RAMEN TECH」と連携したプログラムを実施しました。その結果、アメリカ出身のソロプレナーが10月以降も福岡市に滞在し、累計130日間にわたる滞在を通じて起業の可能性を模索する事例が見られました。また、フランス出身のソロプレナーが欧米を中心に展開していた事業を、福岡を拠点としてアジアへ展開することを検討し始めるなど、地域ビジネスの発展に向けた具体的な動きが生まれています。デジタルノマドが福岡を新たなビジネス展開の拠点として認識し始めていることは、福岡市の国際的なビジネスハブとしての潜在能力を示唆しています。

若者のミーティング

(3) デジタルノマド誘致を通じた国際都市間交流のスタート

本年度より、「Colive Fukuoka」の取り組みを世界に広げ、台湾およびタイ・チェンマイ市との2都市間交流が強化されました。官民双方の意見交換の場が設けられ、民間レベルでの人的交流が重ねられた結果、両地域からのデジタルノマドおよび関係者の相互往来が活性化しました。

特に10月のメインプログラムでは、訪問者数においてアメリカに次いで、台湾、タイ出身者が多数を占める結果となりました。これは、交流強化の具体的な成果と言えます。今後は、行政・政府の支援も得て、より強固で持続可能な関係を構築し、ビジネス活性化と情報交換の深化を双方の地域で目指していく方針です。

チェンマイ国際交流

台湾デジタルフェスト

今後の展望

デジタルノマドが求める価値は「地域とのつながり」

「Colive Fukuoka」の参加者アンケート結果から、福岡市滞在における最大の魅力は「地域とのつながり」と「日本の本質的理解」であることが明らかになりました。これは、単なる観光(Sight-Seeing)に留まらず、「地域とつながる(Sight-Connecting)」体験がデジタルノマドにとって最も重要な価値となっていることを示唆しています。長期滞在を通じて地域住民との交流を深め、その土地ならではの文化や生活様式に触れることが、彼らにとってかけがえのない経験となっているようです。

地域との「本質的なつながり」が新しいビジネス機会を創出

リモートワークを基盤とした長期滞在は、短期間の旅行では得難い地域との本質的なつながりを生み出します。この深いつながりは、新たなアイデアやビジネス機会の創出を促進する可能性を秘めています。地域課題の解決に資するビジネスや、地域資源を活用した新規事業など、デジタルノマドが持つスキルや視点が地域にもたらす価値は大きいでしょう。ビジネスを基盤とした新しいコミュニティ運営は、今後の持続可能な観光を実現する上で不可欠な要素となっていくと考えられます。「Colive Fukuoka」は、デジタルノマドという特定の市場へのアプローチを通じて、観光市場の未来を見据える貴重な「社会実験の場」として、その価値を継続的に発信していく方針です。

年間を通じたコミュニティ運営と世界とのつながり強化へ

今後は、10月のカンファレンス開催に限定せず、年間を通じたコミュニティ運営に注力し、「いつでも訪れ、いつでも地域とつながれる」機会の創出を目指します。これにより、デジタルノマドが福岡をより柔軟に、より長期的に滞在できる環境を整備することが可能となります。「Colive Fukuoka」は、この取り組みを通じて、福岡および九州広域が世界とのつながりを深め、ビジネス機会の創出と社会的インパクトの創出に貢献できる仕組みを整備していく予定です。

福岡市経済観光文化局観光コンベンション部観光産業課からは、「3年目を迎えた本事業において、1.4億円超の経済効果とともに、多くの国・地域と深く持続的なネットワークを築けたことを嬉しく思います。今後は年間を通じた誘客により、デジタルノマドがいつでも地域とつながることができる環境を整え、福岡市がアジアを代表する滞在拠点としての地位を確立できるよう、さらなる取り組みを推進してまいります」とのコメントが寄せられています。

株式会社遊行について

株式会社遊行は「Be where you are meant to be.(いるべき場所に、いられる世界へ。)」をビジョンに掲げ、日本初となる海外デジタルノマド市場専門の商品開発・マーケティング支援事業を展開しています。

企業概要

  • 会社名: 株式会社 遊行(ゆぎょう)

  • 代表取締役CEO: 大瀬良 亮

  • 設立年月日: 2022年9月28日

  • 所在地: 福岡県福岡市博多区祇園町8-13 第一プリンスビル The Company キャナルシティ博多

  • 企業HP: https://yugyo.work

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