九州最大級の大会が目指す「新しい大会運営のカタチ」
九州オープンソフトテニス大会は、毎年4月に開催される九州地区最大級のソフトテニスイベントとして知られています。その規模と熱気から「フェスティバル」と称されることもあり、ソフトテニスの魅力を全国に発信する重要な役割を担っています。本大会は、地元企業からの手厚いスポンサー支援に加え、ソフトテニス界で影響力を持つインフルエンサーのアンバサダー招待、プロ選手による講習会の開催、さらには韓国や台湾からの海外選手の参加など、多岐にわたる企画を通じて大会の魅力を高める努力が続けられてきました。会場にはキッチンカーやメーカーブースも出店され、選手や観客が一体となって楽しめる空間が創出されています。
これらの多彩な企画を統括し、運営を担っているのは、主に福岡県ソフトテニス連盟の役員で構成される「九州オープンソフトテニス大会実行委員会」です。実行委員会は大会開催の半年前から組織され、熱意あるメンバーが集結し、毎年ソフトテニス界に新たなインパクトを与えるべく、最新のトレンドを取り入れた企画を立案し、綿密な準備を進めています。

しかしながら、このような大規模で魅力的な大会を企画・運営していく中で、実行委員会は「大会運営にかかる膨大な事務作業」という大きな課題に直面していました。本来であれば、大会に新たな付加価値をもたらす「企画」に注力したいという強い思いがありながらも、実際にはエントリー処理、参加料の入金消し込み、ドローや進行表の作成、そして大会当日の運営業務といった、多大な人的リソースを要する事務作業に追われる状況でした。従来の紙ベースで属人化された業務構造は、情報のリアルタイム共有を困難にし、誰もが同様に業務を行える標準的なフローの構築を妨げていました。このような状況は、多くの大会主催団体が抱える構造的な問題であり、放置すれば組織運営の持続性を損ない、「次世代の担い手が見つからない」という深刻な事態に繋がりかねないという危機感が、実行委員会内には存在していました。
この課題を克服し、ソフトテニス界に「新しい大会運営のカタチ」を発信することを目指し、実行委員会とraquty合同会社は密接に連携し、大会運営のDX化に向けた準備を進めてきました。
raqutyが実現した大会運営の抜本的なDX
本大会におけるDXは、大会準備フェーズと大会当日フェーズの両面で実施されました。準備フェーズでは、エントリー受付と参加費の事前決済(入金消し込み)の自動化が図られ、大会当日フェーズでは、運営業務の完全自動化が実現しました。さらに、選手や観客が試合の進行状況をリアルタイムで確認できる「ゲストサイト」が用意され、会場内の各所にQRコードが掲示されることで、「進行の見える化」も可能になりました。
raquty Baseの導入によるエントリー受付業務の効率化
昨年度までの大会では、エントリーは専用のExcelファイルに必要事項を入力し、メールで送付する形式が採用されていました。参加費の支払いも銀行口座への振り込みが主流であったため、実行委員会は、エントリーメールへの返信、エントリーリストの集計、そして通帳と照合しながらの入金消し込み作業など、多くの人的リソースをこれらの事務作業に費やしていました。
本大会では、大会エントリープラットフォーム「raquty Base」を導入することで、エントリーから参加費の事前決済までをワンストップでオンライン上で行えるようにしました。これにより、エントリーリストの自動作成はもちろんのこと、参加料の入金消し込みもシステムによって自動的に処理されるようになり、大幅な業務効率化が実現しました。また、決済方法もクレジットカード、QRコード払い、コンビニ払い、銀行振込と多様化されたことで、選手にとっての利便性も大きく向上しました。
raquty Proの導入による大会当日の運営業務の自動化
大会当日には、大会運営自動化システム「raquty Pro」が導入され、運営業務の完全自動化が実現されました。これにより、あらゆる情報がリアルタイムで、場所を問わず取得できる環境が構築されました。
-
オンラインチェックイン: 大会当日の朝、選手には専用のチェックインリンクがメールで送信され、選手は自身のスマートフォンやPCからWeb上で受付を完了できるようになりました。これにより、朝の忙しい時間帯に本部前に長蛇の列ができるという従来の課題が解消され、選手も運営スタッフもスムーズに大会をスタートさせることができました。
-
選手変更・棄権手続きのペーパーレス化: 選手変更や棄権の手続きも、raquty Proの「選手変更・棄権」機能によって完全にペーパーレス化されました。システムに登録された情報は即座にゲストサイトに反映されるため、選手や観客も最新の変更情報をリアルタイムで確認することが可能となり、情報の透明性が向上しました。
-
タブレットでのスコア記録: 審判が使用するスコアシートは、従来の紙媒体から、タブレットを用いた「raquty Pro」のデジタル管理へと全面的に移行しました。これまで紙のスコアシート運用では、事前の印刷、選手名の手書き記入、そして試合前後における本部とコート間の用紙運搬といった手間が発生していましたが、本大会ではこれらすべての業務がタブレット上で完結し、物理的な運搬や手書きによる負担がゼロになりました。さらに、審判が入力した1ポイントごとのスコアデータは、ゲストサイトを通じてリアルタイムで共有されるため、選手や観客はいつでもどこからでも試合の進行状況を把握できるようになりました。
-
大会進行の完全ペーパーレス&完全自動進行: 各コートでの試合終了後、審判は専用タブレットからコート上で直接結果報告を行うことができます。システムがこの結果報告を受け取ると、自動的にトーナメント表と進行表が更新され、最新の情報がゲストサイトをはじめとする各所にリアルタイムで連携される仕組みが確立されました。これにより、手作業による集計や更新作業が不要となり、大会運営の効率性と正確性が飛躍的に向上しました。
大会副実行委員長が語るDXの成果と未来への展望
大会運営のDX化を主導した一人である、九州オープンソフトテニス大会副実行委員長の木村光陽氏に、raquty導入の背景と今後の展望についてお話を伺いました。

木村氏は、raquty導入を決めたモチベーションについて、「これまでソフトテニス大会の運営は、マンパワーや個々の経験に頼る部分が大きく、申込み対応や大会進行もアナログな方法が中心であり、そこに大きな課題を感じていました」と述べました。また、「運営に携わるメンバーの多くは、平日は本業を抱えながら、土日に大会運営を担っています。そのため、一部のメンバーに負担が偏りやすく、将来を見据えると、このままの運営体制は持続不可能であるという危機感も抱いていました」と、運営体制の持続可能性への懸念が導入を後押ししたことを明らかにしました。システムの導入により大会運営の効率化を図り、そこで生まれた余力を「大会をどう盛り上げるか」という、より創造的な企画立案に振り向けたいという強い思いが、raquty導入の大きな動機となったとのことです。
導入前後での関係者の反応については、当初は大規模な大会で新しい仕組みを導入することへの不安の声が内部で多く上がったと木村氏は振り返ります。しかし、事前に講習会やシミュレーションを重ね、念入りな準備を行った結果、実際の運用では「スタッフはもちろん、選手や観客を含めて、ほぼ良いことしかなかった」という状況であったと評価しました。昨年までは、本部スタッフが真剣な面持ちでスコアシートと進行表を照らし合わせながら慌ただしく対応し、全体的に緊張感が漂っていましたが、今年は運営人数を減らしたにもかかわらず、大きな混乱もなく、穏やかで落ち着いた雰囲気の中で大会を進めることができた点が印象的であったと語りました。
選手からは、朝の風物詩であった受付の長蛇の列がなくなったことや、スマートフォンで試合の進行状況をリアルタイムに確認できる点について、「非常に分かりやすくなった」と好評を得ているとのことです。
今後の九州オープンソフトテニス大会の展望について、木村氏は「単に規模を大きくしていくのではなく、raqutyの導入によって生まれた『余白』を、自分たちの強みや大会の特色を伸ばしていくために活かしたい」と述べました。九州オープンソフトテニス大会では、大会運営のDX化だけでなく、海外選手の招聘や会場の賑わいづくり、大会公式アンバサダーの起用など、これまでも独自の取り組みを積極的に進めてきました。今後も実行委員会がより魅力的な大会を目指して挑戦を続けることで、全国の強豪選手が九州・福岡に集い、トップ選手による熱戦や、地元中高生向けの講習会を通して、子どもたちが「将来自分もあの舞台に立ちたい」という憧れや目標を抱く、そのような好循環を生み出す大会へと成長させていきたいと語りました。そして、システムを活用した大会運営がソフトテニス界でも「当たり前のもの」となり、大会開催のハードルが下がることで、競技を支える環境がより良くなり、ソフトテニス文化の更なる活性化に繋がることを期待しています。
raquty合同会社が目指すテニス界の未来
raquty合同会社は、「10年後のテニス界の新しい常識を創造する」をミッションに掲げ、raquty Proをはじめとしたテニスに関わる様々なプラットフォームを提供しています。raquty Proは2025年度のサービス提供開始以来、「個人戦・団体戦」×「トーナメント・ラウンドロビン」といった基本的なレギュレーションに加え、「桂方式」や「練習試合の自動マッチング」まで機能を拡充し、あらゆる勝ち上がり処理に対応できるよう進化を遂げてきました。

raquty合同会社のビジョンである「テニスに関わる全ての人を幸せにする」は、大会に参加する選手だけでなく、試合を観戦するソフトテニスファン、そして大会運営を裏方で支える協会や連盟の皆様が「幸せ」になることを目指しています。同社は、今後も業界に新しい「常識」と「幸せ」を創造し、提供していくために邁進していく方針です。
第24回九州オープンソフトテニス大会におけるDXの成功は、福岡から全国、そして世界のソフトテニス界に向けて、持続可能で魅力的な大会運営の新たなモデルを提示したと言えるでしょう。この取り組みが、今後のソフトテニス界の発展に大きく貢献することが期待されます。
関連情報
-
raquty合同会社公式サイト: https://raquty.com/
-
システム導入に関するお問い合わせ先: https://corp.raquty.com/contact/
VTuberグループ「にじさんじ」より新ストリーマーチーム「Y4T4」がデビュー、8名のライバーが活動開始
中村調理製菓専門学校の学生運営レストラン「プランタン」がスローフードコンセプトでリニューアルオープン
コメント
この記事へのトラックバックはありません。

この記事へのコメントはありません。